オーガニック=無農薬ではない?ややこしいオーガニック事情について
投稿者: uchiage 投稿日:
皆さん、こんにちは!株式会社UCHIAGE広報室の柳瀬です。
前回のブログでは完全栄養食の記事を書かせていただきました。Twitterでも告知させていただいた所、沢山の好評をいただき、また取引先の方にも見ていただけたようで、大変うれしく思います。
私たち、株式会社UCHIAGEはオーガニックセレクトショップを経営しており、セレクトショップでは厳選したオーガニック商品を取り扱っております。しかし、オーガニックという言葉はよく聞くけれど、具体的に何がオーガニックで、何が違うのかはよくわからない…という方も多いと思います。
そこで今回のブログでは、そういった方々に向けて、オーガニックとは何かについてご説明させていただきます。
目次
オーガニックとは
オーガニックと聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。私は最初、自然、やさしい、環境にいいなど、とした漠然としたイメージを思い浮かべていました。
オーガニックの語源は英語のORGANIC(オーガニック)、すなわち「有機」や「有機栽培」から来ています。有機というと、高校の化学で聞いた有機化合物や無機化合物を思い浮かべる方もいるでしょう。化学における有機と無機の違いは、構造の中に炭素を含むか否かでした。
もうちょっと身近な所で言うと、有機化合物とは生物由来の化合物であり、無機化合物とはそれ以外のもの(鉱物や化学合成されたもの)です。そして、農業における「有機」とは主に肥料に使われる「堆肥」のことを指します。つまり、有機栽培というのは、「化学合成農薬や化学肥料に頼らず、土壌の持つ力を活かして環境への負荷をできる限り少なくする農法。」*1のことを言い表しています。
日本において有機農業かどうかは、農林水産省の定める有機JAS制度によって、以下のように厳密に定められています。
「有機農業の推進に関する法律」による有機農業の定義は以下のとおりです。化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
遺伝子組換え技術を利用しない
農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
農業生産の方法を用いて行われる農業です。
引用:有機食品の検査認証制度|農林水産省
このように一定期間有機農業で作られ、有機栽培認定された農作物は、有機JAS認定マークを付けられオーガニックであると取り扱われます。
オーガニック=無農薬ではない
ここまではオーガニックが、農業において有機栽培と同じであり、有機JAS認定を受けるためには様々な要件をクリアする必要があるということを紹介しました。ここで一点注意が必要なのは、オーガニック=無農薬ではないということです。
有機農作物の定義の1つに「化学的に合成された肥料および農薬の使用を避ける」というものがあります。実はこれは、「化学的に合成された肥料」と「化学的に合成された農薬」についてのみ、触れられています。
よって、天然原料による農薬、すなわち微生物などの「有機」表示のできる農薬や、天然原料の「無機」農薬を使うことは認められています*2。有機JASマークによるオーガニック認定はあくまで、有機農作物かどうかを示したものであり、農薬の有無はまた別の問題だということですね。
日用品・化粧品におけるオーガニック
そして、さらにややこしいのが日用品・化粧品におけるオーガニック表記です。
先ほど有機農作物においては有機JAS認定があるという話をしました。しかし、この表示が使えるのは食品に対してのみで、日用品や化粧品に対して有機JASマークをつけることはできません。それどころか、現在日本において、日用品・化粧品に対してオーガニック表記をするための明確な基準も、オーガニック認定をする機関もありません。
すなわち、オーガニック「風」であるものを、オーガニックだと主張した所で咎められることは無いわけです。その結果として、石油由来の合成成分を使いながらオーガニックコスメを謳っている商品も多いといいます*3。
オーガニックコスメを正しく選ぶために
それではオーガニックコスメを正しく選択するにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは2つの方法について説明します。
海外の認証を利用する
1つは、海外の認証を利用することです。海外にはオーガニックコスメを認証する機関がいくつもあり、日本で発売されているオーガニックコスメの中にも、これらの認証を受けているものが多く存在します。特にヨーロッパ諸国は化粧品分野において厳しい条件や基準が設けられているそうです。
有名なものとしては、世界的な民間基準である「COSMOS認証」やヨーロッパの「NATRUE(ネイトゥルー)認証」やフランスの「ECOCERT(エコサート)認証」、アメリカの「USDA認証」などがあります。
弊社取り扱いのメーカーの『株式会社ロゴナジャパン』様では、国際的に認知されているナチュラルコスメの認証である「ネイトゥルー」と「BDIH認証」による認証を受けております。
オーガニックコスメの人気は年々高まり、たくさんの新製品が発売されるので、本物を見分けるために認証マークはますます大切な要因となってきています。ロゴナの全ての製品は、ネイトゥルーまたはBDIHの認証を受けています。ロゴナのナチュラルコスメが「100%信頼できる」ことに誇りを持っています。
引用:認証|LOGONA
メーカーが自主的に設けたガイドラインを確認する
もう1つは、各企業が自主的に設けているオーガニックコスメのガイドラインを確認することです。
例えば、弊社が取り扱っている『fruits roots』様では、すべての商品に対して、農薬や化学肥料を使わない、無農薬栽培原料を使用することを約束しております。それだけでなく、商品の成分に合わせて、レベル1~5のオーガニックレベルを表記することで、安心して商品を選べるような工夫がしてあります。
最後に
今回はオーガニックの定義や、日本におけるオーガニック事情について解説しました。
オーガニックと一口に言っても、分野や対象によってその意味合いは様々です。盲目的に謳い文句を信じるのでなく、そのオーガニックは誰によって認定されているのか、どのような基準でオーガニックと言っているのかを確認することが重要です。
みなさんも、是非一度製品の表示を一つ一つ見比べ、その裏側にある製作者様の努力に思いを馳せてみてください。そして、納得しながら、自分に合った商品を選んでいただければ幸いです。
1件のコメント
自然由来であることが地球に良い?オーガニックとSDGsの深い関係性 | 株式会社UCHIAGE · 2022年8月30日 9:13 PM
[…] オーガニック=無農薬ではない?ややこしいオーガニック事情について […]