有機農産物と食にこだわる日本人
株式会社UCHIAGEでインターンとして働くありさと申します。
インターンとして働き始めて、オーガニック食品に対するアンテナの張り方が変わったのか、オーガニック食品に触れる機会が増えてきました。
考えてみると、自分の幼少期や学生の時に、スーパーマーケットなどの食糧品店で目にしていた風景とは変わっていることも実感しています。
そこで今回は、近年の生活の中でオーガニック食品を目にする機会が増えてきた理由について考察していきます。
オーガニック食品とは?
そもそもオーガニック食品とは何を指すものなのでしょうか?
きちんと調べると、オーガニックを名乗る食品やその栽培方法に関しては、いくつかの法律や定義があることが分かります。
俗に言う「オーガニック食品」は、「有機農産物」や「有機食品」という言葉が法律等では用いられているようです。
また、有機食品には認証制度があり、登録認証機関で認められたものでなければ「有機」「オーガニック」と表示することはできないと決まっています。
つまり、商品名などに有機表示があり、かつ認証マークがあるものは日本の規格を満たしていると考えてよいでしょう。
これを知っているだけでも、何を選べば良いか迷わなくていいのでありがたいですね。
食の安全に敏感な日本人
私は、日本人は食の安全や健康にはすごく敏感だと感じています。
同時に、食への飽くなき探求心は世界に誇れるものがあるとも考えています。
現状に満足せず、より美味しくより美しくすることを目的に様々な工夫を施してきました。
そのひとつに農薬があります。
農薬といっても、農作物を病気や害虫、害獣などから守るものもあれば、農作物の生育を促進・抑制する「植物成長調整剤」と呼ばれるものまでその種類は様々です。
調べてみるととても面白いのですが、これらの農薬はもともと食糧の安定供給を実現するため、という目的がありました。
モノが溢れる現代において想像がつかない方もいるかもしれませんが、日本は食糧自給率の低さから、不足する食糧をどう増産するか頭を悩ませている国です。
農薬に関する法律も、戦後の食糧難に苦しむ時期に制定されました。
農薬の品質を定めることで疫病や害虫による被害から減産する農産物を守り、安全な食糧を安定的に生産することを目的としていたようです。
法律の制定後、安全意識の高まりと技術の発展に加えて、海外からの輸入も増加したことで食糧の大量生産大量消費が可能となりました。
近年の日本の食糧品店では、規格化された同一サイズの美しい農産物が並び、品物が途切れていることは滅多にないと思います。
さらに食への意識が高い消費者の間では、多少価格が高くとも国産の食品を選び、生産者の顔が見えると安心だ、と顔写真が乗っているものも増えてきました。
こういった社会の動きを見ていて、食への安全意識が高まっていることを実感します。
(参考:農薬の基礎知識 詳細)
有機農産物、有機食品を選ぶということ
私たちが生きる日本はいま、飽食の時代と言われ、一般的には食糧難によって食べるに困る、ということはほとんどありません。
むしろ、大量の食品廃棄による食品ロスが社会問題化しています。
世界を広く見ると、飢餓に苦しむ地域があるにも関わらずそのような問題があるのです。
これは前述の大量生産大量消費が可能となった弊害と言えるかもしれません。
そんな時代だからこそ食の安全を尊ぶ日本人として、丁寧に有機栽培された有機農産物を選ぶ人が増えてきたのだろうと考えます。
なにしろ有機農産物は、残留農薬も周辺からの飛来農薬等も流入しないよう必要な措置を講じる必要があるほど、徹底して栽培されています。
疫病や害虫への対策をすべて無農薬で、つまり人の手で行うということなので、有機農産物がいかに手がかかるものなのか想像に難くありません。
もちろんそれに伴い、価格帯も上がります。
その価格がネックとなり、爆発的な広がり方はしていないようですが、だからこそ農薬使用の食品との棲み分けが可能となっているようです。
つまり、輸入品より国産品、国産品の中でも生産者の顔が見えるもの、といった食へのこだわりによって選ぶものが人それぞれであることと、なんら変わりないと考えています。
また、安全そうな国産品を選ぶのであれば、より確かな認証基準のある有機農産物や有機食品を選ぶと、安全と品質は保証されているのではないかとも考えます。
まとめ
有機食品とそうでないものはその目的が違うため、何を求めるかによっては一長一短だと思います。
ただ、その違いを活かして取り入れるものを選べるところが、現代日本の良いところだとも感じています。
私は、栄養素が皮にもたくさん詰まっている野菜や、茶葉など直接抽出するものに“オーガニック”を取り入れたいと考えています。
少し先の未来では有機栽培や有機農産物、有機食品がより浸透し、この選択肢の幅が広がることを期待しています。
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