自然由来であることが地球に良い?オーガニックとSDGsの深い関係性
投稿者: uchiage 投稿日:
皆さん、こんにちは!株式会社UCHIAGE広報室の柳瀬です。
前回のブログではオーガニックやオーガニックコスメについて記事を書かせていただきました。自分自身も調べている中で、オーガニックについての知識が深まりましたし、ややこしいオーガニックコスメ事情についても勉強になりました。オーガニックって何?という方は、ぜひ一度目を通して頂けると幸いです。
オーガニックについて話していると、多くの場合一緒になって話されるのがSDGsです。それぞれ注目されるようになったきっかけや目的とする所は違うのですが、非常に関連が深いものです。一方で、2つの関係性や違いがどこにあるのかが分からない…という方も多いと思います。
そこで今回のブログでは、そういった方々に向けて、オーガニックとSDGsの関係についてご説明させていただきます。
SDGs (Sustainable Development Goals)とは
先にSDGs(Sustainable Development Goals)について解説します。SDGsは、日本語では持続可能な開発目標と訳されており、外務省では以下のように定義されています。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)別ウィンドウで開くの後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
参考:SDGsとは?|外務省
持続可能な開発…すなわち地球や、地球上に住む全ての人々が長きにわたって持続し、安心して暮らしていけるように、地球環境の問題や差別、貧困や人権問題などといった現在の世界が抱えている課題を解決していこうという取り組みです。
SDGsは2030年を達成の期日として、17のゴールと169のターゲットから構成されています。17のゴールは、貧困や飢餓、教育などの社会的な課題と、エネルギーや資源の有効活用、働き方改善や不平等の解消などの経済的な課題、地球環境や気候変動などの環境的な課題を全て内包しています。
SDGsの全17個のターゲットは以下のものです。
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう
169のターゲットは、この17のゴールをより具体的な取り組むべき課題に分解したものです。例えば、目標14の「海の豊かさを守ろう」では、14.1~14.7の7つのターゲットと、14.a~14.cの3つの実現のための方法が示されています。それぞれの例を一つずつ挙げると以下の様なものです。
14.1
2025 年までに、海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
14.a
海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
このように、私たちが今直面している課題を明確にし、それを解消するための具体的な目標と実現方法を定め、世界全体で一丸となって取り組んでいこうとする試みがSDGsであると言えます。
オーガニックとは
オーガニックについては、冒頭に挙げた以前の記事でも紹介しました。オーガニックは、日本語では有機という意味であり、農業における「有機」とは主に肥料に使われる「堆肥」のことを指します。そして、有機栽培というのは、「化学合成農薬や化学肥料に頼らず、土壌の持つ力を活かして環境への負荷をできる限り少なくする農法。」*1 のことを言い表しています。食品においては、有機JAS制度*2という厳密な規格があり、この有機栽培された食品の事をオーガニック食品と言います。
日用品・化粧品においては、日本においては、オーガニック認定をする機関が存在しないため、「オーガニック」と表記されていても化学合成物が含まれていることがあります。海外、特にヨーロッパにおいては、オーガニックコスメを認証する機関により、厳しい条件や基準が設けられています。例えば、ネイトゥルー認証では、化粧品が以下の基準を守っていることを保証しています。
NATRUE認証は、その化粧品が可能な限りナチュラルであることを保証します
ナチュラルおよびオーガニックな成分が配合されています。
許可されている製造段階での制限が守られています。
環境にやさしい製造方法がとられています。
合成香料および合成色素は配合されていません。
石油系原料(パラフィン、PEG、プロピル系、アルキル系、その他の石油誘導体等)は含まれていません。
シリコンオイルやその誘導体は含まれていません。
遺伝子組み換え植物あるいは有機体からの原料は含まれていません(EU の有機農法規格による)。
製品や植物性成分には放射線処理が施されていません。
動物実験は行われていません。
参考:NATRUE認証、それは真実のナチュラルの照明。|一般財団法人日本薬事法務学会
このように、天然由来である、すなわち化学合成された製法を用いず、遺伝子組換えや動物実験のような何かに犠牲を強いる製造方法をしないという活動がオーガニックであると言えるでしょう。
オーガニックとSDGsの関係
それでは、オーガニックとSDGsの関係性はどういったものでしょうか。一言でいうと、オーガニックであろうとする試みが、SDGsの目標のいくつかと深い関わりがあるというものです。
例えば弊社取扱商品のメーカーであるCOPECO様では、リアルフェアトレードとして、原料の調達から製品化までを適正・適切に行うことを約束されています。フェアトレードという概念は、SDGsの17の目標の多くに関係しています。例えば適正な価格にすることで、生産者の生活を守るという観点からは、目標1「貧困をなくそう」に関係してきます。
また、エシカルな取り組みとして、美味しい果実が無駄にならないよう廃棄予定の果実を積極的に買い取り商品化しております。食品ロスを減らすということは、まさに目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲット12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。」に該当しています。
他にも、ノバスコシアオーガニックス様では、取り扱い商品の全てに対して、USDAオーガニック認証(アメリカ)、CORオーガニック認証(カナダ)、有機JAS認証(日本)のいずれかの認定を受けております*3。これらの認証は、両国の協議で互いにオーガニック認証の同等性(自国の有機制度による認証を受けた有機農産物等に「organic」等と表示して、相手国へ輸出できること)が認められているものです。
有機JASなどのオーガニック認証を受けた農法は、自然由来の地域資源や、周辺環境に最大限配慮した栽培方法が取られています(目標12「つくる責任 つかう責任」)。また、自然環境や私たちの体に与える影響が未知数な化学合成物を避け、自然由来のものを使うことで、最終的にそれを口にする私たちの健康にも影響を与えています(目標3「すべての人に健康と福祉を」)*4。
このように、オーガニック商品は色々な形でSDGsの目標に関わっている事が多くあります。オーガニック製品を取り扱う企業のホームページによっては、その会社の取り組みがどのようにSDGsに関わっているか書かれてあることもあります。是非、一度チェックしてみてください。
最後に
今回はオーガニックと、オーガニックと深い関係があると言われているSDGsについて、その関係性を紐解いてみました。
オーガニックとSDGsは同じもののように話されることが多いのですが、これらは直接イコールで結ばれるものではなく、オーガニックであろうとする取り組み(自然に優しい製法)や、そこから派生したエシカル・フェアトレードといった活動がSDGsに繋がっている事が分かりました。
オーガニック製品を選ぶということは、このように持続可能な社会の実現のための選択をするという事にもつながっています。
皆さんも是非、日常に少しずつオーガニックなものを取り入れていってみてください。
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